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女は女である

「見どころ」にPR表現を含みます。
ジャン=リュック・ゴダール流のミュージカルコメディ。彼の初カラー作品です。

『女は女である』は、ジャン=リュック・ゴダールが脚本・監督を務め、ジャン=ポール・ベルモンド、アンナ・カリーナ、ジャン=クロード・ブリアリらが出演した1961年仏国の実験的ミュージカル・ロマンティック・コメディ映画。米国ミュージカル・コメディへのオマージュであり、フレンチ・ヌーヴェル・ヴァーグの流れを汲みます。ゴダールの長編3作目(2作目の『小さな兵隊』は検閲により公開が遅れた)で、初のカラーとシネマスコープ作品。

猫女
猫女

ゴダール映画で印象に残っている作品は「彼女について私が知っている二、三の事柄」と「新ドイツ零年」に次いで「女は女である」です。

なむ
なむ

カラフルな映像にカラフルな衣装が重ねられています。

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女は女である

  • 原題:Une femme est une femme
  • 英題:a woman is a woman
  • 製作国:仏国・伊国
  • 公開年:1961年
  • 上映時間:85分
  • キーワード:配色、女性、目玉焼き、自転車、アパート、セーラー服、ストリップ・クラブ
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あらすじ

女性ストリッパーのアンジェラは、エミールという男性競輪選手と恋人。ある日、アンジェラは子供を欲しがります。しかし、エミールは結婚の準備ができていないと思い、断りました。そんな2人の間に、以前からアンジェラに気があるアルフレッドが加わります…。

見どころ

配色

配色を楽しめる映画です。テーマカラーは赤色と青色と白色かと。それを凝縮した場面は、アンナ・カリーナが勤めるストリップ・クラブで彼女と同僚が本に見入っているところ。今日の衣装はツーピースのセーラードレス。内側には白色のコルセット・ドレスで補整しています。ストッキングは赤色。トリコロールの帽子がふざけていて可愛いです。この映画の衣装デザイナーはジャクリーヌ・モロー

また、アンジェラが初めてアルフレッドと路上で出会ったとき、彼が着けていた腕章は赤色と青色。なお、場面の始まりと終わりで左右が逆になります。

アンナ・カリーナ

1960年5月12日の記事によると、ゴダールはアンジェラ役にブリジット・バルドーを希望していましたが、彼女が出演できなかったため、アンナ・カリーナを選びました。

ある場面で、アンジェラが同僚に新聞を渡し、自分は乙女座だと言って星占いの欄を読むように頼みます。アンナ・カリーナの星座は乙女座(9月22日生まれ)です(^^)/

また、ある場面で、アンジェラがいくつかの雑誌を見ているのですが、そのうち一冊の表紙には映画「地下鉄のザジ」の主演女優の名前がありました。

1960年5月12日の記事によると、ゴダールはアンジェラ役にブリジット・バルドーを希望していましたが、彼女の出演は不可能だったため、アンナ・カリーナを選んだそうです。

ファッション

『女は女である』(1961年、ジャン=リュック・ゴダール監督)でアンナ・カリーナが演じたアンジェラのファッションは、1960年代のフレンチ・シックを象徴する鮮やかで遊び心のあるスタイルが特徴です。以下に、彼女のファッションのポイントを簡潔にまとめます。

ビビッドなカラーとポップな配色

簡単には先述しましたが、アンナ・カリーナの衣装は、赤、青、黄色などの大胆な原色が多用されています。たとえば、鮮やかな赤のセーターや青いドレスが印象的。

  • カラーブロッキング(色をブロックのように組み合わせる手法)が特徴で、モダンで若々しい雰囲気を演出。

カジュアルでフェミニンなシルエット

  • フレアスカートやAラインのドレス、シンプルなカーディガンなど、女性らしさを保ちつつ動きやすいカジュアルなアイテムが多い。
  • ウエストを強調したデザインや、膝丈のスカートでエレガントかつ親しみやすいスタイル。

アクセサリーとヘアスタイル

  • 大ぶりのイヤリングやスカーフ、ベレー帽などの小物で個性をプラス。シンプルな服にアクセントを加える工夫が見られます。
  • ヘアスタイルはナチュラルで少しボリュームのあるショートカットや、軽くウェーブしたスタイルが特徴。リボンやヘアバンドも使用。

ストリートスタイルの先駆け

アンジェラのファッションは、パリの街角を歩く若い女性の日常を反映。カジュアルなスニーカーやトレンチコートを合わせたルックは、ヌーヴェルヴァーグらしい自由な精神を表現。

  • ストライプのトップスに赤いスカート、フラットシューズといった組み合わせ。

映画のトーンを反映した遊び心

  • 衣装は映画の軽快でロマンティックなトーンに合わせており、ミュージカル的要素やコメディ感を強調。たとえば、突然のダンスシーンでも映える動きのあるスカートや明るい色使いです。

アンナ・カリーナのファッションは、ゴダールの美学と1960年代のフレンチ・ポップカルチャーが融合したもので、現代でもレトロ・シックなインスピレーションとして愛されています。具体的には、彼女の赤いカーディガンと白いスカートの組み合わせや、青いドレスに赤い靴下を合わせたルックがアイコニックです。

感想

映画「恋する惑星」を思わせる場面単位の作品で、どこかシニカルで、どこかコミカル。アンナ・カリーナが演じたストリッパーのアンジェラが可愛い。

あらゆる場面が繋がらない映画

アンドレ・S・ラバルトの説

「女は女である」は何かと衝撃的な映画かもしれません。出来事が衝撃なのではなく映像の流れが衝撃なのでしょう。むかし、映画プロデューサーのアンドレ・S・ラバルトは「カイエ・ドゥ・シネマ」125号で、あらゆる場面が繋がらない映画だと述べました。ある場面は次の場面に重なるわけでも帰結するわけでもない、と。このような映画はゴダールの本領を発揮したものだといえます。

ウォン・カーウァイ監督「恋する惑星」

このような作品にヒントを得た映画がウォン・カーウァイ監督の「恋する惑星」。

この映画はかなり難解でサッパリ分からんとよく学生たちが述べていますが、分からない映画と思って見ていけばOKです。

ゴダールも然り。

唯一繋がった場面

アンドレ・S・ラバルトの捉え方は的確ですが、一つの場面を見落としている場面があります。

青と白のストライプがド派手なローブを着て、アンナ・カリーナは台所で目玉焼きを作っています。そこにマンション共有の電話がかかってきて、呼びだされます。電話に向かう直前、なんとアンナはフライパンを思いきり振って、作りかけの目玉焼きを放り上げます。

そしてフライパンを持ったまま電話に出てブツブツ。電話を終えて台所に戻ってきたアンナは、先ほど天井に向かって(あるいは天井を超えて)放り上げた卵をフライパンでキャッチします。この場面は、ラバルトのいう場面同士の分断のうえに時間幅を狂わせたまま繋げた珍しいケースです。

ラバルトの分析が唯一当てはまらず、見事に場面と場面が起と結になっています。

ジャクリーヌ・モロー

ジャクリーヌ・モローは映画「ロシュフォールの恋人たち」で衣装デザインを担当したデザイナー。このポスターを飾るカフェが京都市にあります。喫茶ラ・マドラグ(la madrague)です。

解説

映画『女は女である』は、ストリッパーのアンジェラとその恋人エミールの関係を中心に描いたもの。アンジェラは子供を欲しがっていますが、エミールにはその気がありません。エミールの親友アルフレッドもアンジェラを愛していると言い、優しく追いかけ続けます。

アンジェラとエミールは子供をもつことについて激しく言い争います。あるとき、二人はお互いに口をきかないことに決め、本棚から本を取り出してタイトルを指差しながら言い争いを続けます。これでアンジェラは、子供を授かるためには手段を選ばないことが証明されました。

ようやくエミールと和解したアンジェラは、エミールが父親になるチャンスを得ます。苛立ったエミールが「Angéla, tu es infâme」(アンジェラ、あなたは恐ろしい)と言うと、彼女は「Non, je suis une femme」(いいえ、私は女よ)と言い返します。

キャスト

登場人物 出演者
エミール・レカミエ ジャン=クロード・ブリアリ
アンジェラ・レカミエ アンナ・カリーナ
アルフレッド・ルビッチ ジャン=ポール・ベルモンド
セカンド・ブラインド アンリ・アタル
(クレジットなし) カリン・バルム
売春婦3 ドロテ・ブランク
雑誌ガール カトリーヌ・ドゥモンゴ
アンジェラの友人 マリー・デュボワ
バー主人 アーネスト・メンザー
バーの女性 ジャンヌ・モロー
スザンヌ ニコール・パカン
売春婦1 マリオン・サロー
売春婦2 ジゼル・サンドレ
偽アヴェーグル1号 ドミニク・ザルディ

本作はアンナ・カリーナの映画デビュー作。

なお、初出演作は1960年に完成した「Le petit soldat」(1963年公開)。

スタッフ

担当 担当者
監督 ジャン=リュック・ゴダール
脚本 ジャン=リュック・ゴダール
衣装デザイン ジャクリーヌ・モロー

外部リンク

次のカードは「シネマテーク・フランセーズ」から。「女は女である」の詳細なデータが載っています。

サイト自体は、フランス政府が多くを出資する大規模なデータベース。

レビュー 作品の感想や女優への思い

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