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美しすぎる母

「見どころ」にPR表現を含みます。
実際にあった衝撃事件をジュリアン・ムーア主演で映画化。

1972年にロンドンで起きた実在の殺人事件を基にした衝撃的なドラマです。貧しい出自のバーバラが富豪の妻となり、息子アントニーを授かりますが、家族の関係は次第に歪み、母子の異常な依存と愛憎が悲劇を引き起こします。上流階級の華やかな生活の裏側を描いた作品で、心理的な深みを追求しています。

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基本情報

  • 邦題:美しすぎる母
  • 原題:SAVAGE GRACE
  • 製作国:スペイン、仏国、米国
  • 公開年:2007年
  • 上映時間:97分
  • 配給会社:アスミック・エース
  • キーワード:不倫疑惑、離婚、シングルマザー、近親相姦

予告編はこちら。

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見どころ

大富豪の妻となり、すべてを手に入れた美しき母と息子が世間から取り残され、やがて迎える驚くべき愛の結末。エディ・レッドメインが息子役。

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ファム・ファタル

ベレン・ルエダ

ベレン・ルエダが演じた登場人物はパイラー・ドゥラン。彼女はバーバラの元夫の新しい恋人。つまり、ジュリアンとベレンは一人の男性をとりまく中年対決というわけです。

ジュリアン・ムーア

ジュリアン・ムーアはブルックスの元妻バーバラを演じました。バーバラはアントニーの母でもありこの母としての行動がなかなかスパルタ。

バーバラのガウンのひとつは、ジュリアンが主演すると聞いて、デザイナーのカール・ラガーフェルドがこの映画のために特別に製作したもの。

会食の席で他人を前にしてマルキ・ド・サドの「ソドム120日」を息子アントニーに音読させたことが一番印象的ですが、とにかく見栄のために子供に対して厳しくズレた教育をしていきます。

クライマックスで魅せた教育が〇教育だったことも衝撃。台詞とともに映像も十分に味わってください。

なむ
なむ

息子が羨ましい……。

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女優の活躍

本作の主演女優であるジュリアン・ムーアは、1960年12月3日生まれのアメリカ人女優で、数々の名作に出演し、アカデミー賞をはじめとした数多くの賞を受賞されています。彼女のキャリアは1990年代から本格化し、『ブギーナイツ』(1997年)でアカデミー助演女優賞にノミネートされたのを皮切りに、『ファー・フロム・ヘヴン』(2002年)や『アリスのままで』(2014年)で主演女優賞を受賞するなど、演技派として高い評価を得ています。

特に、複雑な心理描写を必要とする役柄を得意とし、繊細で力強いパフォーマンスで観客を魅了します。本作『美しすぎる母』では、バーバラ・ベークランド役を演じ、野心家で精神的に不安定な女性を見事に体現されています。彼女の演技は、表面上の華やかさと内面的な崩壊を巧みに表現し、批評家から「ジュリアン・ムーアの最高の演技の一つ」と絶賛されました。映画の冒頭から終盤にかけての変化を、微妙な表情や仕草で描き出し、家族の崩壊を象徴する存在として圧倒的な存在感を発揮します。

また、共演者のエディ・レッドメインとの母子関係の演技は、緊張感に満ちており、物語の核心を支えています。ムーアの活躍は、本作以外にも『ハンニバル』(2001年)や『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017年)など多岐にわたり、ジャンルを問わず活躍を続けられています。彼女の美貌と演技力が融合したパフォーマンスは、映画界に欠かせない存在です。さらに、近年はプロデューサーとしても活動を広げ、社会問題をテーマにした作品に携わっています。ムーアのような女優が本作をリードすることで、物語の深みが一層増しています。

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女優の衣装・化粧・髪型

ジュリアン・ムーアが演じるバーバラ・ベークランドの衣装は、1940年代から1970年代にかけての時代背景を反映した上流階級の洗練されたスタイルが特徴です。初期のシーンでは、華やかなパーティードレスやエレガントなスカートスーツを着用し、赤や金色のアクセントが施された高級感あふれるファッションが目立ちます。これらの衣装は、彼女の野心家で社交的な性格を象徴しており、肩パッドが入ったクラシックなシルエットや、シルク素材のガウンが多用されています。中盤以降、家族の崩壊が進むにつれ、衣装は徐々に乱れやシンプルさを帯び、精神的な不安定さを表現しています。例えば、離婚後のシーンでは、くたびれたローブやカジュアルなブラウスが登場し、かつての華やかさを失った様子が強調されます。

化粧については、全体的にクラシックで上品なメイクアップが施されており、赤いリップスティックとアイラインが彼女の美しさを際立たせています。初期は完璧なベースメイクに明るいチークを入れ、社交界の女王のような輝きを放っていますが、後半ではメイクの崩れや薄化粧が、キャラクターの心理的衰えを表しています。

髪型は、時代ごとのトレンドを反映したものが多く、1940年代のウェーブのかかったロングヘアから、1960年代のボリュームのあるアップスタイル、1970年代のストレートヘアまで変化します。特に、ムーアの赤みがかった髪色が活かされ、シーンごとにカールやピンでセットされたヘアスタイルが、彼女の感情の揺らぎを視覚的に表現しています。これらの要素は、映画の美術監督と衣装デザイナーの手により、物語の進行と連動して細やかにデザインされており、ムーアの演技をより引き立てています。

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あらすじ

物語は、1972年11月17日のロンドンで、バーバラ・ベークランド(ジュリアン・ムーア)が息子のアントニー(エディ・レッドメイン)に刺殺される衝撃的な事件から遡ります。1940年代、貧しい家庭に育ったバーバラは、美貌と野心を武器に、プラスチック財閥ベークランド家の後継者であるブルックス(スティーヴン・ディレイン)と結婚します。彼女は上流階級の生活に憧れ、華やかな社交界で活躍しますが、夫婦の関係は次第に冷え込みます。1946年、息子アントニーが誕生し、バーバラは彼に過度な愛情を注ぎます。家族はニューヨーク、パリ、スペインなど世界中を移り住み、表向きは贅沢な生活を送りますが、ブルックスの不倫疑惑が浮上し、夫婦の亀裂が深まります。

1950年代後半、アントニーが成長するにつれ、バーバラの精神的な不安定さが露わになります。彼女は夫の浮気相手に嫉妬し、家族の調和を乱します。結局、ブルックスはバーバラと離婚し、スペイン人の女性ブランカ(エレナ・アナヤ)と再婚します。シングルマザーとなったバーバラは、アントニーへの依存を強め、彼の性的指向や精神的な問題に深く介入します。1960年代、アントニーは同性愛者としてのアイデンティティに悩み、薬物や精神疾患を抱えます。バーバラは彼を「治療」しようと、異常な方法を取ります。例えば、友人であるサム・グリーン(ヒュー・ダンシー)の助言を無視し、アントニーと近親相姦的な関係に陥ります。

これにより、母子の絆は歪んだ愛憎に変わります。1970年代初頭、家族の崩壊は頂点に達し、アントニーの精神は限界を迎えます。ロンドンのアパートで、バーバラがアントニーに過度に干渉した末、彼は激昂し、彼女を刺殺します。事件後、アントニーは逮捕され、精神病院に収容されますが、後に自殺します。このあらすじは、実在のベークランド家の一族の悲劇を基に、家族の孤立と自己破壊を描いたものです。華やかな生活の裏側で進行する心理的な崩壊が、観る者に強い印象を残します。

解説

本作『美しすぎる母』は、監督トム・ケイリンが実在のベークランド家を題材に、上流階級の華やかさとその裏側の闇を鋭く描いた作品です。原作はナタリー・ロビンズとスティーヴン・M・L・アロンソンの書籍『SAVAGE GRACE』で、1972年の実際の事件を基にしています。テーマは家族の機能不全、依存関係、性的アイデンティティの葛藤で、特に母子間の近親相姦的な要素が衝撃的です。

ケイリン監督は、ニュー・クイア・シネマの代表格として知られ、本作でも同性愛やジェンダーの問題を織り交ぜ、伝統的な家族像を批判的に解体します。物語の構造は非線形的で、アントニーのナレーションにより過去を振り返る形式を取っており、緊張感を徐々に高めます。視覚的には、ヨーロッパの美しい風景や豪奢なインテリアが対比的に用いられ、内面的な醜さを強調します。ジュリアン・ムーアの演技は、批評家から高く評価され、バーバラの複雑な心理を体現しています。彼女のキャラクターは、貧困から脱却するための結婚がもたらす孤独と狂気を象徴し、社会階級の幻想を暴きます。一方、ブルックスの冷徹さやアントニーの脆弱さが、家族の崩壊を加速させる要因として描かれます。

本作は、単なるスキャンダル映画ではなく、人間関係の極限を探る心理ドラマです。公開当時、Rotten Tomatoesで38%の評価と賛否両論でしたが、インディペンデント・スピリット賞の脚本賞にノミネートされるなど、芸術性が高く認められました。観客には強い不快感を与える可能性がありますが、それが監督の意図であり、観る者に家族の絆とは何かを問いかけます。製作国がスペイン、フランス、米国と多国籍である点も、国際的な視点を提供しています。全体として、現代社会の孤独や依存を反映した深みのある作品です。

実話と訴訟

映画の公開後、バケランドの元恋人サミュエル・アダムス・グリーン(映画ではダンシーが演じた)は、バーバラ、アントニー、サムがセックスするメナージュ・ア・トロワの場面など、映画の要素が事実と異なることを指摘する記事を書きました。

1972年、アントニーはロンドンのチェルシーにある母親のアパートで母親を殺害。この映画が公開された後、グリーンは映画の要素を指摘する記事を書き、次のように反論。「約40年前、バーバラと関係をもったのは事実だが、彼女の息子と寝たことはない。私はバイセクシュアルでもない。彼女は同性愛を「治す」方法として、息子と近親相姦関係をもったと周囲に話し始めた。でも、彼女がトニーとセックスしたとは思っていない。彼女は単に人々にショックを与えることを楽しんでいただけだと思う」と。その後、グリーンは映画製作者たちに対して訴訟を起こしたが、彼の死の時点ではまだ解決しなかった。この訴訟は最終的に彼の遺産によって内密に解決された。

キャスト

登場人物 出演者
バーバラ(ブルックスの元妻) ジュリアン・ムーア
ブルックス・ベークランド スティーヴン・ディレイン
ニニ・デイリー アン・リード
アシュウィン・リッペ マーティン・フーバー
ミッジ・ヴァンデンヒューベル ミニー・マルクス
ヨースト・ヴァンデンヒューベル ジム・アーノルド
シモーネ・リッペ マピ・ガラン
12歳のアントニー バーニー・クラーク
カルロス・デュラン アベル・フォーク
ピラール・デュラン ベレン・ルエダ
ジャン・ピエール・スヴェストル シモン・アンドレウ
アントニー・ベークランド エディ・レッドメイン
ブランカ エレナ・アナヤ
ブラック・ジェイク・マルティネス ウナックス・ウガルデ
ローナ・モファット メリーナ・マシューズ
チケット係 ロレア・ウレスベルエタ
ゲートマン グザヴィエ・キャプデ
タクシー運転手 カンディド・ウランガ
サム・グリーン ヒュー・ダンシー
ミッシー・ハーデン リナ・ランバート
ミシカ・ハーデン ピーター・ヴィヴェス
PCロバーツ ブレンダン・プライス
ベイビー・トニー ポル・バリブレア
ティニー・デュシャン マリオーナ・ペリエ
コウノトリクラブの男 マルク・パナデス
バーバラと車の男 ピエロ・ヴェルゼッロ

スタッフ

監督 トム・ケイリン
脚本 ハワード・A・ロッドマン
美術編集 デボラ・チェンバーズ
セット装飾 フアン・カルロス・ブラボー、デボラ・チェンバーズ、イザベル・ドミンゴ、ビクトル・パビア
衣装デザイン ガブリエラ・サラヴェッリ
メイクアップ部門責任者 アナ・ロペス=プイグセルバー
メイクアップ モンセ・ボケラス
メイクアップ バネッサ・クベロ
メイクアップ スサーナ・レオン
メイクアップ ロサリオ・マルティネス
メイクアップ セサル・モルシージョ
ヘアスタイル主任 ベレン・ロペス=プイグセベル
ヘアスタイル シャビ・ガルシア
ヘアスタイル ナタリア・モントーヤ
ヘアスタイル助手 イレーネ・ナバーロ
ウィッグメーカー(ジュリアン用) ピーター・オーウェン
ヘアスタイル(ジュリアン用) ジェリー・ポポリス
ヘアスタイル セルヒオ・ペレス・ベルベル
メイクアップ(ジュリアン用) スーザン・ライリー・ルヘイン
ヘアスタイル ホセ・セギ
メイクアップ助手 アナ・ウローサ
メイクアップ ラウラ・バカス
ヘアスタイル マヌエル・ビジャグラサ
ネイル(ジュリアン用) ディタ・ヴォイティコバ

レビュー 作品の感想や女優への思い

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