基本情報
- 邦題:ホステル ネクスト・レベル
- 原題:An Affair to Die For
- 公開年:2019年
- 製作国:スペイン
- 撮影場所:ヌー・ボヤナ・フィルム・スタジオ(ブルガリア、ソフィア)
- 上映時間:82分
- ジャンル:スリラー
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見どころ
『トーク・トゥ・ハー』のスタッフが放つ密室サバイバル映画。主演は「世界で最もセクシーな女性」ランキング常連のクレア・フォーラニ。劇中のセクシーシーンにも注目。
ファム・ファタル
ドラマ向けの主演女優クレア・フォルラーニをのぞけば、『ホステル ネクスト・レベル』出演者たちの演技はそこそこ。冒頭、クレアが演じるホリー・ピアポイントが自虐BDSMを行ない、その辺りの出来栄えが良くて期待しましたが、すぐにトーンダウン。綺麗なだけにもったいない。途中で発見されるリディア・アラン役のメリーナ・マシューズもそこそこ綺麗。
女優の活躍
『ホステル ネクスト・レベル』の主演女優、クレア・フォーラニ(ホリー・パイパーポイント役)は、映画の中心となるキャラクターを演じ、その演技力で作品の緊張感と感情の機微を牽引しています。クレア・フォーラニは、1998年の『ジョー・ブラックをよろしく』でのヒロイン役で広く知られ、その後も『ザ・ロック』や『メダリオン』など、ハリウッド映画で安定したキャリアを築いてきた英国出身の女優です。本作では、49歳(当時)とは思えない美貌と、熟練の演技で不倫に溺れる女性の複雑な心理を表現。特に、疑心暗鬼に苛まれながらも生き残るために葛藤する姿は、観客に強い印象を与えます。
フォーラニは、ホリーというキャラクターを通じて、愛と裏切り、恐怖と決断の間で揺れ動く女性像を丁寧に描き出しています。物語の序盤では、不倫の情熱に駆られる女性としての魅惑的な一面を見せ、中盤以降は夫の復讐ゲームに巻き込まれ、恐怖と混乱の中で冷静さを取り戻そうとする姿を体現。レビューでは、彼女の「美しい腹筋」や「年齢を感じさせない魅力」が称賛されており、視聴者から「サスペンス要素を支える存在感がある」と高く評価されています。特に、ワンシチュエーションの密室劇において、彼女の表情や仕草が物語の緊迫感を増幅させ、観客を引き込む要因となっています。
また、脇を固める女優メリナ・マシューズ(リディア・アラン役)も重要な役割を果たしています。リディアは物語の鍵を握るキャラクターであり、フォーラニと対比的な存在感で、復讐の裏に潜む冷酷さと知性を表現。両女優の対峙するシーンは、心理戦の緊張感を高め、物語に深みを加えています。
女優の衣装・化粧・髪型
クレア・フォーラニ演じるホリーの衣装は、『ホステル ネクスト・レベル』のトーンであるサスペンスと官能性を反映したデザインが特徴です。物語の冒頭では、不倫の密会を意識したセクシーで洗練された衣装が登場。具体的には、タイトなドレスや、ホテルの密室でのシーンでは、黒いレースの下着を着用する場面があり、彼女の魅力とキャラクターの情熱的な側面を強調しています。これらの衣装は、ホリーの女性らしさと誘惑的な一面を視覚的に表現し、物語の不倫というテーマを補強しています。
化粧は、ナチュラルでありながらも洗練された印象を与えるスタイルが採用されています。濃いアイラインと控えめなリップカラーが、ホリーの知的な美しさを引き立て、緊張感が高まるシーンでもその美貌が際立ちます。特に、恐怖や混乱の中でも彼女の顔立ちが強調されるようなメイクが施されており、観客の視線を捉えます。
髪型については、フォーラニのトレードマークである自然なウェーブのかかったロングヘアが特徴的。シーンによっては、髪を下ろしたカジュアルなスタイルや、束ねたシンプルなスタイルで登場し、ホリーの心情の変化をさりげなく表現しています。レビューでは「欧米人の中でも特に美しく年を重ねている」と評され、その髪型や全体のスタイリングがキャラクターの魅力を引き立てています。
メリナ・マシューズ演じるリディアの衣装は、ホリーとは対照的に、落ち着いた色調のビジネスライクな装いが中心。彼女の冷徹なキャラクター性を反映し、ダークトーンのジャケットやスカートが登場します。化粧は控えめで、鋭い目元を強調するメイクが施され、復讐を企てる女性の強さを表現。髪型はタイトにまとめられたアップスタイルが多く、彼女の計算高さを視覚的に補強しています。
感想
ドラマのなかで二人が夫婦であると信じ込まされ、女性は不倫関係にもあることを知らされます。
両者の家族が危機にさらされたとき、信頼関係という問題が大きくなるものの関係の弱さが露呈し、やがて信頼関係は崩壊していきます。
最後にどんでん返しがあり、関係が捻じ曲げられ、物事の本質が暴かれます。
あらすじ
『ホステル ネクスト・レベル』は、不倫関係にあるホリー・パイパーポイント(クレア・フォーラニ)とエベレット・アラン(ジェイク・アベル)が、山奥の豪華ホテルで密会を計画するところから始まります。ホリーはエベレットの指示に従い、目隠しをして手錠でベッドに縛られた状態で彼を待つが、部屋に現れたのはエベレットではなく、ホリーの夫で警察の調査官であるラッセル・パイパーポイント(タイタス・ウェリヴァー)でした。ラッセルは、ホリーとエベレットの不倫を知り、復讐のために二人を巨大な密室と化したホテルに閉じ込め、命を賭けた心理ゲームを強制します。
ラッセルは二人に別々の指示を与え、互いを疑心暗鬼に陥れます。エベレットには「ホリーをホテルから出さないようにすれば、妻子を助ける」と脅迫し、ホリーには「生き残るためにはエベレットを出し抜け」と命じます。ホリーとエベレットは、互いに裏切り合いながら生き残るための行動を取るが、ゲームが進むにつれ、背後に潜む真の黒幕とその動機が明らかになります。物語は、疑心暗鬼と裏切りの連鎖の中で、意外な結末へと突き進みます。
解説
『ホステル ネクスト・レベル』は2019年スペイン・イタリア製作のスリラー映画。言語は英語。クレア・フォルラーニ、ジェイク・エイベル、タイタス・ウェリヴァー主演、ビクトル・ガルシア監督によります。この映画はブルガリアのソフィアで撮影され、ホテルの内装はヌー・ボヤナ・フィルム・スタジオ)。おもな撮影は17日間で終了し、2019年2月1日に公開されました。
本作は、原題『An Affair to Die For』が示す通り、不倫をテーマにしたサスペンスホラーであり、イーライ・ロス監督の『ホステル』シリーズとは全く関連がありません。しかし、邦題の「ホステル ネクスト・レベル」は、ホラー映画『ホステル』を想起させるため、多くの視聴者が誤解を抱き、レビューでも「邦題詐欺」と批判されています。このタイトルは、マーケティング戦略としてホラー映画ファンを引きつけようとした可能性がありますが、実際はワンシチュエーションの心理スリラーであり、ゴアやスプラッター要素はほぼ皆無です。
本作は、密室劇としての緊張感と、不倫という普遍的なテーマを軸に、疑心暗鬼を利用した心理戦を描いています。物語の構造は、映画『ソウ』シリーズに似た要素(監禁、監視カメラ、ゲーム形式の展開)を持ちつつも、規模は小さく、B級映画のテイストが強いと評されています。監督のヴィクトル・ガルシアは、『ヘルレイザー:レベレーション』や『ミラーズ2』で知られ、低予算ながら緊張感を演出する手腕を発揮。ワンシチュエーションの設定を活かし、限られた空間でのキャラクターの心理的葛藤を強調しています。
物語のテーマは、不倫の代償と復讐の連鎖。登場人物たちは、自らの過ちによって引き起こされた危機に直面し、互いを信じられない状況で極端な選択を迫られます。特に、ホリーとエベレットの関係が、愛情から疑念、そして敵対へと変化する過程は、観客に感情移入を促しつつ、倫理的な問いを投げかけます。ただし、レビューでは「伏線回収が不十分」「展開が冗長」といった批判もあり、脚本の緻密さに欠ける点が指摘されています。
視聴者の反応は賛否両論で、Filmarksでの平均スコアは2.6点。「サスペンスとしてテンポが良く、意外な展開が楽しめた」と評価する声がある一方、「ホステルシリーズを期待したのに失望した」「ストーリーに感動的な決め手が欠ける」といった意見も散見されます。それでも、クレア・フォーラニの魅力や、短い上映時間(82分)による気軽さが、暇つぶしとしての鑑賞には適しているとの声もあります。
キャスト
- クレア・フォルラーニ…ホリー・ピアポイント役
- エイミー・ディンカフ…ホテル・レセプション役
- ネイサン・クーパー…デイヴ・パーカー役
- タイタス・ウェリバー…ラッセル・ピアポイント役
- ジェイク・アベル…エヴェレット・アラン役
- デレク・モース…フレッシュ・ホテル・セキュリティ役
- テリー・ランドール…年配のホテル警備員役
- メリーナ・マシューズ…リディア・アラン役
スタッフ
- 衣装デザイン… アンナ・キリロワ
- セット衣装…ティホミール・トリフォノフ
- メイクアップ・ヘアスタイル…イヴァンカ・ゴルチニナ
- メイクアップ・ヘアスタイル…ペーチャ・シメオノワ
- 特殊メイク…ソフィア・ラコヴァ
総括
『ホステル ネクスト・レベル』は、不倫と復讐をテーマにしたサスペンスホラーであり、クレア・フォーラニの魅力とヴィクトル・ガルシアの演出が光る作品です。邦題による誤解を招く要素はあるものの、ワンシチュエーションの密室劇として、緊張感と心理戦を楽しめる一本です。衣装やメイク、キャストの演技が物語を補強し、短い上映時間で気軽に鑑賞できる点も魅力。ただし、ホラー映画『ホステル』を期待すると失望する可能性があるため、サスペンスや心理劇として楽しむのがおすすめです。
レビュー 作品の感想や女優への思い