藤純子は日本の女優・司会者。京都女子高等学校在学中に「八州遊俠伝・男の盃」(1963年)で映画デビュー。任侠映画を中心に幅広いジャンルで活躍した名女優です。
1960年代に緋牡丹博徒シリーズで矢野竜子という登場人物を演じて任侠映画で有名になり、同ジャンルのヒロインとして一時代をつくりあげました。その後、バラエティ番組の司会者を務めるなど、長らく芸能生活を続けています。
主な出演作品は次のとおり。
- 十三人の刺客
- 肉体の盛装
- 幕末残酷物語
- 解散式
- あゝ同期の桜
- 昭和残侠伝 血染の唐獅子
- 大奥秘物語
- 緋牡丹博徒
- 人生劇場 飛車角と吉良常
- 緋牡丹博徒 花札勝負
- 日本暗殺秘録
- 緋牡丹博徒 お竜参上
- 女渡世人
藤純子
- 別名義:富司純子
- 本名:寺嶋純子
- 旧姓:俊藤純子
- 生年月日:1945年12月1日(79歳)
- 出生地:日本国和歌山県御坊市
- 出身地:日本国大阪府大阪市東成区
- 血液型:O型
- 職業:女優、司会者
- 活動期間:1963年~
- 配偶者:七代目尾上菊五郎
- 著名な家族:寺島しのぶ(長女)、五代目尾上菊之助(長男)、尾上眞秀(孫)
学歴は次のとおりです。
- 大阪市立中道小学校(卒業)
- 大阪市立本庄中学校(卒業)
- 四條畷学園高等学校(転校)
- 京都女子高等学校(卒業)
ファム・ファタル
私にとって藤純子は理想的なファム・ファタル像。キュートな愛嬌とシリアスな薄幸、定番の美しさに座った目つき。
上の動画は、投影シアターオンラインが配信している「緋牡丹博徒 お竜参上」の予告編です。
1960年代にはじまった緋牡丹博徒シリーズで矢野竜子という登場人物を演じたことを皮切りに、1970年代にヒットした日本女侠伝などの任侠映画で有名になりました。
その後は任侠物にかぎらず、幅広い役柄をこなし、日本を代表する女優となっていきました。
任侠映画では一貫して和装を着こなし、歩幅の狭い歩き方でアクションにチャレンジするなど、なかなかな無茶ぶりな役柄を任せられました。それでも、迫力と凛々しさを備えた演技を見せ、男性ヤクザ相手に堂々と張り合っています。
かなり近づきがたい役柄ではありますが、その分、ひたすらかっこいい女優だなぁと感じます。
映画史では色気を削ぎ落とした役柄だと評価されてきました。
しかし、私はそうは思いません。
各作品で何かを守ろうとするスタンスが強く主張されていますし、その強い意志が表情や衣装込みのスタイルに現れています。私はそういう藤純子の演技を色っぽいと感じています。
好きにならずにいられないような罪悪感を視聴者に与える、そんな矢野竜子(緋牡丹のお竜)のキャラクターは十分にファム・ファタルなのです。
日常的な役柄でも凛々しさを発揮していて、憧れの気持ちも抱いてしまうほどです。
生い立ちと教育
藤純子は1945年12月1日に和歌山県御坊市に生まれました。疎開先での出生であり、5歳の時に大阪市東成区へ移住。家庭環境は、父親が東映の名プロデューサー俊藤浩滋で、任侠映画ブームの立役者。ただし、父は家にほとんど帰らない「火宅の人」で、母と祖母に苦労して育てられました。幼少期の興味は、7歳から日本舞踊を習い、中学時代に宝塚歌劇のファンに。宝塚音楽学校受験を目指し、宝塚コドモアテネで声楽やバレエを学びますが、父の反対で断念。学歴は大阪市立中道小学校、大阪市立本庄中学校を卒業後、四條畷学園高校に進学。その後、京都女子高校へ転入。
経歴
1962年、よみうりテレビの歌謡番組『ハイハイ、マヒナです』のカバーガールとして姉・允子と共に出演。これが芸能界デビューの第一歩。
女優デビューは1963年で、父の職場である東映京都撮影所を訪れ、マキノ雅弘監督にスカウトされました。同年、映画『八州遊侠伝 男の盃』で千葉真一の恋人役として女優デビュー。芸名「藤純子」はマキノ監督が命名しました。デビュー年に7本の時代劇に出演し、同時に朝日放送のコメディ『スチャラカ社員』でレギュラー出演し注目を集めました。
任侠映画でのブレイクは1964年から任侠映画に出演したことがきっかけ。1965年の『明治侠客伝 三代目襲名』でのヒロイン役で評価を高め、1968年からの『緋牡丹博徒』シリーズで主演を務め大ブレイク。鶴田浩二や高倉健の相手役として、また自ら主演として任侠映画の看板女優となりました。
1972年、歌舞伎俳優の尾上菊之助(現・七代目尾上菊五郎)と結婚し、27歳で女優を引退。『関東緋桜一家』が引退記念映画となりました。
1974年、本名の寺島純子でテレビ司会者として活動開始。1989年、映画『あ・うん』で「富司純子」に改名し女優復帰。以降、『あ、春』『おもちゃ』『フラガール』など多様な作品で活躍。声優として『サマーウォーズ』や『海獣の子供』にも参加。
1999年と2006年にブルーリボン賞助演女優賞を受賞。2007年に紫綬褒章、2016年に旭日小綬章を受章。
特徴と評価
藤純子時代は、任侠映画で「凛とした美しさ」と「動きの美」を武器に、強い女性像を体現。とくに『緋牡丹博徒』のお竜役は、映画史に残る名キャラクターとされています。復帰後の富司純子としては、上品な役から庶民的な役まで幅広く演じ、邦画界の至宝として高く評価されています。
私生活
藤純子の夫は七代目尾上菊五郎。娘は女優の寺島しのぶ、息子は歌舞伎俳優の尾上菊之助。
出演作品
藤純子の出演作品はたくさんあるので独立ページを設けています。
レビュー 作品の感想や女優への思い